この記事ではマンガ作品のセリフを一部分だけ引用しています。引用ポリシーについてはこちら。
『暗殺教室』の映画に関する情報が、9月8日に解禁されましたね。今回発表された劇場版は、TVアニメ放送の10周年記念プロジェクトの一環。『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』のタイトルで、2026年3月20日に全国公開されます。
アニメ放送が10年ほど前ということもあり、劇場公開を前に原作マンガを改めてチェックしたい人も多いのではないでしょうか。
とはいえマンガを読むとなると、紙か電子書籍か、後者ならどのサービスがいいのか…… 選択肢がたくさんあって迷いますよね。筆者がイチオシする英語学習アプリLangakuでも『暗殺教室』が配信されていますよ。10年以上前の作品が最新のアプリで読めるというのは、嬉しいですね。
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当ブログでは過去にいくつかの記事で、ジャンプのマンガの日本語版と英語版を比較しながら、一部のセリフをご紹介してきました。その記事で活用したのが、Langakuの「コマシェア機能」です。コマシェア機能は、特定のコマの画像を日・英両方のバージョンでSNSにシェアできる便利機能です。
↓↓『鬼滅の刃』第1話の日・英セリフ比較はこちら↓↓

Langakuを使って『暗殺教室』の英語版を読んでみたところ、興味深い英語表現をチョイスしている箇所がありました。今回もLangakuのコマシェア機能を使って、それらをご紹介したいと思います。
日英セリフ比較その①
まず取り上げるのは、第1話のこのセリフ。

朝の教室で、日直の号令がかかると同時に一斉射撃を受けた殺せんせー。日・英セリフを見比べてみると、英文と原文とで情報量が全然違うことにまず「おやっ」と思います。
英文を直訳すると「つまり、誓約はしないということですね。」みたいな感じでしょうか。ここでひとまず「誓約」と訳したTHE PLEDGEですが、この文脈ではアメリカのPledge of Allegiance(忠誠の誓い)のような儀式を指すと思われます。起立して、胸に手を当てて、国旗に向かって国家への忠誠を誓うアレですね。アメリカの学校なんかでは、毎朝のルーティンとして行われているようです。
筆者としては、この英訳をある種の「ローカライズ」ととらえたのですが、いかがでしょうか。ローカライズということばの定義や、翻訳における位置づけなどは、↓のページがわかりやすいです。
ローカライズはローカリゼーションの略称で、オリジナルの言語をサービスや製品などを展開する地域に合わせて最適化することを言います。
翻訳者ネットワーク アメリアより(一部抜粋)
元々はソフトウェア製品に使われる言葉だったそうですが、最近ではより広い範囲で取り入れられています。このセリフについても、ひょっとすると「アメリカの学校では毎朝のThe Pledgeが日課だから、それがないと読者が不自然に感じるはず」という考えのもとに、このような英訳がなされたのかもしれません。
もしこれがアメリカ版ということなら、ある程度は合点がいきます。ただ他の地域とか、もしくは全世界的に販売する場合を考えると、障りが出る可能性もあるのでは……? なんてことも少し考えてしまいます。
ちなみに、一斉射撃の直前に、日本語版では「起立!! 気をつけ!! れ──い!!!!」という日直のセリフがあります。これは日本では当たり前の風景ですが(先生に一斉射撃するのは当たり前じゃないですよ!)、外国では違いますよね。英語版では Now!!(起立)、Get ready!!(気をつけ)、FI-I-I-RE!!!!(礼)とそれぞれ訳されていますよ。各コマの絵と英語の内容がピッタリ合っていてイイ感じなんですが、日本式のあいさつの要素は完全に消えているわけです。
これは考えすぎかもしれませんが、ここで「起立、気をつけ、礼」という儀礼的な要素を削った代わりに、次の殺せんせーのセリフでThe Pledgeという別の儀礼的な要素を補ったのかもしれませんね。
日英セリフ比較その②
さらに殺せんせーのセリフからもう1つ。

豆腐がPUDDINGに置き換えられていますね。これも細かい単位におけるローカライズの一例と言えないでしょうか。
「tofuは今や世界的な人気食材なんだし、そのままで別にいいじゃん!」と思う人もいるかもしれません。事実アメリカのスーパーなんかでは豆腐がかたさによって区分されていて、日本のスーパー並みに選択肢がある、なんて話も聞きます。ただ「やわらかくて脆いもの」の比喩としてtofuより伝わりやすい単語があるとすれば、やはり「外国ではpudding」という判断なのでしょうね。
翻訳を行う際には、コンテンツのターゲット層が厚ければ厚いほど「最大公約数」的な表現を意識する必要があると思います。このpuddingというたった1語を例にとっても、翻訳者さんが合理的にことばを選び取ったことが想像できて興味深いです!
Langakuでは1タップで日英を切り替え可能!
『暗殺教室』第1話のセリフ2つについて、原文と訳文の違いを比較してみましたが、いかがでしたか? 日本語版と英語版を比較しながら読むと、時として文化の違いも感じられて面白いですよ。この記事で実践した日英セリフの比較は、Langakuアプリを使えばとても簡単にできます。
というのもLangakuでは、マンガの閲覧中に好きなページの好きなコマをタップするだけで、そのコマのセリフが英語から日本語に一瞬で切り替わるんです。(もちろん逆も然り。)
気になるセリフが登場する度に、タブを切り替えて辞書アプリを開いて…とか、メモしておいて後でまとめて辞書で調べて…とか、そんな面倒事から解放してくれる便利機能です。
これから初めてLangakuで英語版を読んでみようと思っている方は、ぜひ切り替え機能も活用して、言語間の違いを楽しんでみてくださいね。


